眠れないままの街路樹に
うすいオレンジがひっかかった
昨日のつづきみたいな顔で
朝は静かにほどけていく
閉じたまぶたの裏側で
言いそびれた言葉が揺れる
いちばん最初のひかりじゃなくて
遅れて届くぬくもりを待った
誰かの速度に合わなくても
今日が今日を置いていっても
それでもまだ この胸の奥
消えない火だけ見ていた
After the first light
遅れて燃える心でもいい
まぶしい朝に間に合わなくたって
僕の時間で 息をしよう
After the first light
取りこぼした光のあとで
名前のない熱を抱きしめて
もう一度だけ 歩き出すよ
高架下 風のすきまから
昨日の影がまだついてくる
うまく笑えないこの輪郭を
責めるほどには若くもないな
誰かが見てた理想図は
たぶん少しだけ速すぎた
僕は僕の遅い歩幅で
ようやく朝に触れられそうだ
きれいな答えはいらないよ
ちゃんと傷んだ声でいい
遠回りしたそのぶんだけ
見える色もあるだろう
After the first light
遅れて燃える心でもいい
先に行く日々 見送ったままで
ここからだって 歌えるから
After the first light
失くしたようで失くしてない
胸のどこかで灯りつづける
小さな火を 信じてみる
最初じゃなくていい
うまくなくてもいい
朝焼けの端で
やっと見つけた
この体温だけは
誰にも消せない
After the first light
遅れて咲いた心でいい
一度逃した光の向こうに
まだ別の空 残っている
After the first light
取りこぼした夢のあとで
それでもなお あたたかいほうへ
もう少しだけ 歩いていく
最初の光のそのあとで
やっと僕は 朝になる